400名ほどいる宝塚歌劇団でトップスターになれるのは、ほんの一握りの人だと言う事は皆さんよくご存知だと思います。
男役10年と言われ、その間何人ものライバルを押しのけてようやく上り詰めたトップスターの座。それなのに就任したと思った途端に案外すんなりと辞めてしまう人が多くて不思議だと思いませんか?
「宝塚トップスターはどんな理由で退団するのか?」
「就任後すぐに辞めてしまうのはなぜなのか?」
そんなあなたの疑問にお答えします。
宝塚トップスターの退団理由は登り詰めてしまったから
宝塚トップスターが退団する理由として1番多いのは、「上り詰めたら後は退団しか道がないから」ということです。
毎年40人以上が入団してくるわけですし、実力をつけてくる若手もたくさん出てきます。宝塚歌劇団の将来を考えるのならば、後から出てくる若い才能にトップスターの座を譲ることも大切なことなのですね。
それをよりも何よりも、宝塚歌劇団の頂点に立って数回舞台をこなしてみるとやり切った感が凄いと思いますよ。
これはトップになった人にしかわからないことだと思いますが、日本で最難関の宝塚音楽学校に入学し、日本で唯一のエンターテイメント集団と言われる宝塚歌劇団の頂点に立てば充実感は相当なものでしょう。
人気のあるうちにたくさんのファンに惜しまれながら退団する…それもとても幸せなことですよね。
ところで宝塚スターは退団するにもたくさんの準備が必要であることをご存知ですか?その一つに千秋楽に最後のご挨拶をする際に持つブーケです。ご興味のある方はぜひ、退団ブーケについての記事もお読みください↓
寿退団や他の目標を見つけて退団する方もいる!
女ばかりの園にいるとは言え、アイドルのように恋愛禁止と言うわけではないので、普段は男役をしている生徒も「実は彼氏がいる」と言う方もいるはず。
最近では退団してすぐに結婚される方は少なくなりましたが、20世紀の昔では「タカラジェンヌは理想の花嫁」と言われていた時代。良い縁談があって結婚を理由に専業主婦になる人が多かったのです。
21世紀になってからはタレントや女優業に進む方、大学に行く方、海外に留学する方、事業を始める方や、なんと医学部に進んで医者になった方もいらっしゃいます。
最近では、美園さくらさんが慶應義塾大学院に進学されました。彼女はもともと秀才肌で、役作りにもその頭の良さが滲み出ていました。・・・と、私は感じていました(笑)
その他にも宝塚音楽学校や宝塚歌劇団での経験を生かし、受験スクールの形やマナー講師になる方もいらっしゃいます。もちろん宝塚歌劇団の指導者として宝塚に残る方など、宝塚を辞めてからの第二の人生も多種多様となりました。
「ワン切り」で辞めるトップスターも!
本人の意思とは関係なく、劇団の意向で退団を余儀なくされるトップスターさんもいらっしゃいます。
トップに就任する際に、「退団はいつにする?」と聞かれたことのあるトップスターもいるくらいですので、トップになったからといって手放しで喜んでばかりはいられないようですね。
ちなみに「ワン切り」とは、トップスターになれる代わりに1年で退団を強要されることをいいます。
なぜそんなことが起きるかと言うと、劇団側がトップにしたいと思っている生徒がまだ入団間もない状態で、トップスターとしては育っていない場合や組替えのタイミングが合わないなどの理由が考えられます。
つまり劇団側が希望している生徒が育つまでのつなぎとしてトップスターに就任すると言うわけなんですね。華やかにキラキラと誇らしげにトップに就任している影では、このような約束が劇団側と結ばれている可能性があるのです。
自分が応援している方が「トップスターになったと思ったら1年で辞めてしまった」と言うことになったら「ワン切り」の状態だったのかもしれません。
絵麻緒さん、貴城さん、紫城さんは「ワン切り」で辞めたトップスター
絵麻緒ゆうさんは、退団記者会見の際に「劇団側の意向に従って退団した」とはっきりおっしゃっています。
この発言から「ワン切り」と言う契約があると言うことが明らかになりました。
その他にも貴城けいさん、紫城るいさんもいわゆる「ワン切り」契約だったと言われています。
天海祐希も短命トップスターだった!
天海祐希さんの場合はいわゆる「ワン切り」契約ではないと思われますが、鳴り物入りで宝塚歌劇団に入団したものの、実は宝塚向きではないとも言われていました。
彼女の演技はそれまでの男役のそれとは異なり、非常にナチュラルで歌劇団の男役と言うよりかは、芸能界の女優向きだったのかもしれません。
私としてはそのナチュラルさがとても好きだったんですが、ファンの方も彼女自身も違和感を感じていたのでしょうか。トップ就任からすぐにやめてしまったのはとても残念でした。
明日海さんや珠城さんなどスポンサー付きトップスターは在団期間が長い
宝塚歌劇団のトップスターの中にはスポンサーがついている方がいらっしゃいます。
そういう生徒は宝塚歌劇団側としてもありがたい存在なので、おのずと在団期間が長くなります。
最近で言うと明日海りおさんはVISAカードが、珠城りょうさんはダイキンのスポンサーがついていました。
明日海りおさんはトップ在任期間が5年半、珠城りょうさんも5年間と長く、宝塚歌劇団に大きく貢献したと思われます。
現在宙組の芹香斗亜さんは阪急交通がスポンサーについているため、トップ確実とささやかれています。
スポンサーがついていると言う事は、どの業界でも強いんですね。
ちなみに5年のトップスター就任期間が長いと言われるのは、平成や令和ならではのこと。昭和はもっと驚くべき就任期間が!興味がある方はぜひ、こちらの記事もお読みください↓
昭和のトップスター はとにかくタフ!今は回転早くて、ちょっと寂しいと感じる時もありますよね。
男役と娘役は一緒に退団するパターンが多い!
男役トップスターと同時期に娘役トップスターも一緒に退団すると言うパタンが多いですよね。
別に、必ず一緒に退団しなければならないわけではありません。
娘役トップスターは男役トップスターをずっと支える存在ですので、最後まで添い遂げたいと思う方が多いのではないでしょうか。
常に同じ目標に向かって走り続けていた男役トップと娘役トップは、退団時期が同じになってしまうのは仕方のないことなのだと思います。
明日海りおの退団美談!これぞまさに男役の鑑!
明日海りおさんはトップスター就任中に「4人の嫁がいた」と言われており、退団までに4回相手役が変わっています。
3人めの相手役であった仙名彩世さんは明日海りおさんと一緒に退団する予定でしたが、明日海りおさんからの提案で一足先に退団公演が決まりました。
それは明日海りおさんのこんな素敵な一言から退団時期をずらしたそうです。
「男役トップスターと一緒に退団すると、娘役は目立たなくなってしまう」
なんと相手役愛に溢れた言葉なのでしょう。私はこの話を聞いたときとても感動してしまいました。
同時に亭主関白がはびこっていた昭和時代から、女性をとても大切にする新しい時代が宝塚にもやってきたんだなぁと思いましたが、皆さんはどのように感じましたか?
ちなみに仙名彩世さんは、明日海りおさんのたっての希望で娘役トップに就任したと言われています。
娘役トップスターは男役トップスターからの指名で就任する方もいるんですよ。詳しくはこちらの記事で紹介しています。ぜひ、お読みください↓
まとめ
宝塚トップスターは、タカラジェンヌとしての使命を全うして退団をする人ばかりだと思っていましたが、実は劇団側からの肩たたきに合う人もいるのだということがわかりました。
退団後の進路も芸能界進出や結婚だけでなく、進学、留学、個人事業主など様々であり、いろんな世界に活躍の場を広げている人が多いのも驚きでした。
もしかしたらあなたの近くにも元タカラジェンヌと言う方がいらっしゃるかもしれませんね。
花の命が短いように、タカラジェンヌとして咲き誇っていられる期間も非常に短いので、ファンとして精一杯応援したいと思います。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。