宝塚歌劇を見始めたばかりの人のなかには、「副組長とはどのような立場なの?」「トップスターとは何が違うの?」と疑問に思う人もいるでしょう。
宝塚歌劇では、花組・月組・雪組・星組・宙組の各組に組長と副組長が置かれています。以前は各組に1人だった副組長が、2026年3月から2名体制になったことでも注目を集めました。
さらに星組では、2026年12月14日付で輝咲玲央さんが専科へ異動し、澪乃桜季さんが新たに副組長へ就任します。
この記事では、宝塚の副組長の役割やトップスターとの違い、2名制になった理由について、宝塚初心者にも分かりやすく解説します。星組の新しい体制についても紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
宝塚の副組長とは?
宝塚の副組長とは、組長を補佐しながら組を支える立場です。
宝塚歌劇団には、花組・月組・雪組・星組・宙組の5組があり、それぞれに組長と副組長が任命されています。
宝塚歌劇公式ホームページの「宝塚用語辞典」では、組長と副組長について、その組の最上級生として組子を指導し、公私にわたって面倒を見る存在と説明されています。
舞台で華やかな役を演じる一方、組織を支える役割も担っているため、組長や副組長は宝塚の「管理職」と呼ばれることもあります。
宝塚歌劇団の5組の特徴や基本的な仕組みについては、宝塚とは?初心者向けに簡単に解説でも詳しく紹介しています。
組長を支える管理職
副組長の主な役割は、組長を補佐することです。
組長は組全体をまとめる責任者であり、副組長はその組長を支えながら、組子が安心して舞台や稽古に取り組める環境づくりに携わります。
会社にたとえるなら、組長が部署の責任者、副組長がその責任者を支える立場と考えると分かりやすいでしょう。
ただし、副組長の具体的な業務内容がすべて公式に公開されているわけではありません。一般的には、組子の指導や相談への対応、組長不在時の補佐など、組を円滑に運営するための役割を担っていると考えられます。
舞台に出演しながら組をまとめる
組長や副組長も、ほかのタカラジェンヌと同じように公演へ出演します。
管理職に就任したからといって、裏方の仕事だけを担当するわけではありません。芝居やショーに出演する舞台人でありながら、組全体を支える役割も果たします。
豊富な舞台経験を持つ上級生が組長や副組長を務めることで、下級生にとって身近な手本となることも期待されているのでしょう。
宝塚の副組長の仕事内容
宝塚歌劇団は、副組長の仕事内容を細かく公表していません。
一方、公式サイトでは、組長と副組長について「組の生徒達(組子)の指導者として公私の面で面倒をみている」と説明しています。
ここでは、公式に発表されている内容をもとに、副組長が担うと考えられる主な役割を見ていきましょう。
組長を補佐する
副組長の基本的な役割は、組長の補佐です。
組長は組を代表する立場として、初日や千秋楽の挨拶、退団者の紹介なども担当します。副組長は組長を支え、必要に応じてその役割を補う立場にあります。
公演は宝塚大劇場や東京宝塚劇場だけでなく、全国ツアーや別箱公演など複数に分かれることもあります。組長と副組長が全員同じ公演に出演するとは限らないため、それぞれの公演先で組子をまとめる存在が必要です。
組子を指導して支える
宝塚では、各組に所属するタカラジェンヌを「組子」と呼びます。
組子のなかには、入団したばかりの下級生から豊富な経験を持つ上級生まで、さまざまな学年の生徒が所属しています。
副組長は組長とともに組子を指導し、困っている生徒を支えながら、組全体がまとまるように見守る立場です。舞台上では見えにくい仕事ですが、長期間にわたる稽古や公演を支える重要な存在といえるでしょう。
組と劇団をつなぐ
組長と副組長は、組子をまとめるだけでなく、劇団と組子の間をつなぐ立場でもあります。
劇団からの連絡事項を組子に伝えたり、組の状況を把握したりするなど、円滑な組織運営を支える役割があると考えられます。
ただし、こうした内部業務の詳細は公表されていません。副組長は表から見える以上に、多くの仕事を担っている可能性があります。
トップスターと組長・副組長の違い
宝塚初心者が特に迷いやすいのが、トップスターと組長・副組長の違いです。
トップスターは、その組の舞台で主役を務める中心的な存在です。ポスターや公演のフィナーレでも中心となり、各組の顔として活躍します。
一方、組長と副組長は、組織運営の面から組を支える立場です。
つまり、トップスターは舞台上の中心、組長と副組長は組織をまとめる責任者と考えると分かりやすいでしょう。
トップスターが会社の看板となる人気タレントなら、組長と副組長は現場をまとめる管理職のような存在です。役割は異なりますが、どちらも組を支えるうえで欠かせません。
トップスターの役割や任期、年収について詳しく知りたい人は、宝塚トップスターとは?年収や任期・退団理由を解説も参考にしてください。
宝塚の副組長はどうやって決まる?
宝塚歌劇団は、副組長を選ぶ具体的な基準を公表していません。
そのため、「何年目になれば副組長になれる」「特定の役を経験すれば就任できる」といった明確な決まりは確認できません。
経験豊富な上級生が就任する
これまでの人事を見ると、副組長には舞台経験を重ねた上級生が就任するのが一般的です。
副組長は幅広い学年の組子を支える立場であるため、舞台経験だけでなく、人をまとめる力や周囲からの信頼も求められると考えられます。
また、副組長を経験した後に組長へ就任するケースもあります。ただし、副組長になれば必ず組長になるとは限らず、専科へ異動したり、副組長のまま退団したりする場合もあります。
男役・娘役のどちらも就任できる
副組長に男役・娘役の区別はありません。男役が就任する場合もあれば、娘役が務める場合もあります。
トップスターやトップ娘役とは異なり、副組長は男役・娘役という舞台上の立場にかかわらず就任できる役職です。
宝塚の副組長が1人から2人になった理由
副組長という役職は以前から存在していましたが、2026年3月1日から各組2名体制へ変更されました。
副組長自体が新設されたのではなく、従来の1人から2人へ増員された形です。
2026年3月から各組2名体制へ
宝塚歌劇団は2026年2月25日、花組・月組・雪組・星組・宙組の全5組で新たに1人ずつ副組長を任命し、各組の副組長を2人にすると発表しました。
2026年3月1日付で新たに副組長へ就任したのは、次の5人です。
・花組:紅羽真希さん
・月組:佳城葵さん
・雪組:桜路薫さん
・星組:朝水りょうさん
・宙組:愛すみれさん
これにより、各組は「組長1人・副組長2人」の体制になりました。
劇団が発表した目的は体制強化
宝塚歌劇団は、副組長2名制を導入した理由について、「持続的な成長に向けた体制強化の一環」と説明しています。
目的として挙げられているのは、これまで以上に円滑な組織運営を図ることです。さらに、すべての関係者が安心して公演に携わり、一人ひとりが研鑽に励める環境づくりを目指すとしています。
副組長2名制は、組長や副組長に集中していた役割を分担し、組子を支える体制をより充実させるための変更と受け取れます。
ただし、2人の副組長が具体的にどのように業務を分担するのかまでは発表されていません。
別箱公演でも組子を支えやすくなる
宝塚では、本公演の合間に組子が複数の公演へ分かれて出演することがあります。
一方が全国ツアーへ出演し、もう一方が宝塚バウホールや外部劇場の公演へ出演するなど、組長と副組長が全員同じ公演に出演するとは限りません。
副組長が2人いれば、組子が複数の公演に分かれた場合でも、経験豊富な管理職がそれぞれの公演を支えやすくなるでしょう。
これは劇団が個別に説明した導入理由ではありませんが、副組長2名制によって期待できるメリットのひとつと考えられます。
星組の新副組長に澪乃桜季さんが就任
宝塚歌劇団は2026年7月10日、星組の副組長人事を発表しました。
現在副組長を務める輝咲玲央さんが専科へ異動し、その後任として澪乃桜季さんが副組長に就任します。
2026年12月14日付で就任
澪乃桜季さんは、2026年12月14日付で星組副組長へ就任します。
澪乃桜季さんは、2012年に初舞台を踏んだ98期生です。長年星組で舞台経験を重ね、芝居やショーを支えてきた娘役でもあります。
新体制が始まるのは、星組公演『RRR × TAKA”R”AZUKA ~√Rama~』東京宝塚劇場公演の千秋楽翌日です。
朝水りょうさんとの副組長2名体制に
澪乃桜季さんの就任後も、朝水りょうさんは引き続き副組長を務めます。
2026年12月14日以降の星組管理職は、次のようになります。
・組長:美稀千種さん
・副組長:朝水りょうさん
・副組長:澪乃桜季さん
男役の朝水りょうさんと娘役の澪乃桜季さんが、美稀千種組長を支える新体制です。
娘役の視点を持つ副組長としても期待
澪乃桜季さんは、娘役として長く星組を支えてきました。
娘役が副組長に就任すること自体は、宝塚の歴史のなかで前例のないことではありません。しかし、男役と娘役がそろって副組長を務めることで、異なる経験や視点から組子を支えられる可能性があります。
具体的な役割分担は発表されていませんが、星組の新しい副組長コンビがどのように組を支えていくのか注目されます。
輝咲玲央さんは副組長から専科へ異動
澪乃桜季さんの副組長就任と同時に、輝咲玲央さんは2026年12月14日付で星組から専科へ異動します。
副組長就任から約1年4か月で異動
輝咲玲央さんは、2025年8月11日付で星組副組長へ就任しました。
2026年3月に副組長2名制が始まってからは、朝水りょうさんとともに星組を支えています。2026年12月14日に専科へ異動するため、副組長を務める期間は約1年4か月です。
副組長に就任してから比較的短期間での専科異動となることもあり、発表に驚いたファンもいたのではないでしょうか。
専科異動の理由は発表されていない
輝咲玲央さんが専科へ異動する理由は、公式には発表されていません。
専科には特定の組へ所属せず、必要に応じて各組の公演へ出演する生徒が所属しています。経験豊富な輝咲玲央さんが、今後さまざまな組や作品でどのような役を演じるのか期待されます。
なお、異動後最初に出演する公演は、発表時点では未定です。人事の意図や今後の出演作については、公式発表を待ちましょう。
専科に所属する生徒の役割や組替えとの違いについては、宝塚歌劇の専科とは?役割・異動理由・給料・定年までを解説で詳しく紹介しています。
宝塚の副組長に関するよくある質問
最後に、宝塚の副組長について初心者が疑問に感じやすい点を紹介します。
副組長も舞台に出演する?
副組長も通常の公演に出演します。
組長や副組長は組を運営する役割を担っていますが、同時に現役のタカラジェンヌです。芝居やショーで重要な役を務めることもあり、舞台人と管理職の両方を担っています。
副組長から組長になることはある?
副組長を経験した後、組長へ就任するケースはあります。
ただし、必ず副組長から組長へ昇格するとは限りません。退団や専科への異動など、その後の進路はさまざまです。
娘役が副組長になるのは珍しい?
娘役が副組長や組長を務めた例は、これまでにもあります。
宝塚の管理職は、男役だけが就任するものではありません。2026年3月に副組長2名制が導入されてからは、男役と娘役の両方が管理職を担う組もあります。
副組長と専科では役割が違う?
副組長は、所属する組で組長を補佐し、組子を支える役職です。
一方の専科は、花組・月組・雪組・星組・宙組のいずれにも所属せず、必要に応じて各組の公演へ出演する生徒が所属する場所です。
副組長は「役職」、専科は「所属先」であり、それぞれ意味が異なります。
組から組への異動も含めた人事の仕組みについては、宝塚歌劇団の組替えとは?組替えをする理由と傾向を解説をご覧ください。
まとめ
宝塚の副組長は、組長を補佐しながら組子を指導し、公私にわたって組を支える役職です。
副組長という役職は以前からありましたが、2026年3月1日から各組1人だった副組長が2人に増えました。劇団は、円滑な組織運営を図り、関係者が安心して公演に携われる環境をつくることを目的として挙げています。
星組では、2026年12月14日付で輝咲玲央さんが専科へ異動し、澪乃桜季さんが新たな副組長に就任します。その後は、美稀千種組長を朝水りょうさんと澪乃桜季さんの2人が支える体制です。
舞台の中央で輝くトップスターだけでなく、組子を身近で支える組長や副組長にも注目すると、宝塚歌劇をこれまでとは違った視点から楽しめるでしょう。

