宝塚の生徒は、みな芸名と愛称を持っています。芸名と関連した愛称であれば問題ありませんが、まったく違う場合は一旦思考が停止します。これは新たにファンになった方ばかりでなく、昔からのファンの方も同様です。
そこで、今回は宝塚の愛称に着目し、愛称がついた由来とエピソードを紹介します。これがわかればあなたの立派なヅカヲタになれるかもしれませんよ。
ぜひ、最後までお読みください。
宝塚の愛称とは
愛称とは名前とは違い、友達同士・親子・兄弟・親戚などの間で、親しみを込めた呼称を言います。名前より呼びやすいし、なんとなく愛嬌を感じさせるのが愛称です。
宝塚の愛称といっても、このような一般的なものと、何ひとつ変わりません。覚えてしまえば呼びやすく、芸名よりも使い勝手のいいものが愛称と言えるでしょう。
なぜ宝塚には愛称がある?
一般の愛称とかわりなく、呼びやすく、親しみが込められるのはわかりますが、宝塚の愛称は公式の書籍やHPにも記載されているほど、もはやオフィシャルなのはどうしてだと思いますか?
「こういう理由で愛称があるんだ!」といった根拠的なものはないのですが、もしかしたらこういった理由なのかも?と思われるものがありますので、ご紹介します。
芸名の漢字が難しい
タカラジェンヌさんの芸名は、いわゆるキラキラネームっぽいものが多いです。出身地に由来していたり、本名に由来していたりするケースも多いのですが、当て字っぽいものもあって、どう見てもキラキラしています。
つまり、読みづらいんです。そして、漢字変換しづらいんです。
例えば、花組トップスターの柚香光さんでは、「ゆずかれい」と入力しても、辞書登録でもしていない限り、一生「ゆずかれい=柚香光」とは出てこないでしょう。
その点、愛称はひらがな表記が多く、漢字であってもそれほど難しいものはありません。そんな理由から難しい芸名と簡単な愛称をセットにしているのではないかと思われます。
愛称を覚えないと話が通じない
そもそもタカラジェンヌ同士、愛称で呼び合うため、必然的にファンは愛称も覚えないと「誰の話?」ってなります。
まだうら若き乙女集団ですから、堅苦しく芸名で呼び合うなんて考えにくいですよね。やはり、学生時代からなんらかの愛称で呼び合っているはずで、タカラジェンヌとなった現在でもその愛称で呼び合うのは自然なことでしょう。
そんなタカラジェンヌがテレビやラジオ、雑誌などメディアで対談をする際は、必ず愛称が出てきます。話を最初から最後まで理解するためには、愛称を覚えることはファンにとって必須項目なのです。
なぜ?宝塚は愛称を公式発表している?
なぜ愛称を公式発表しているか?に関しては、これまでの記事の総括になります。宝塚側からは何も言及されていませんので、想像の域を超えませんが、結局のところ以下のようになります。
- 宝塚は学校→劇団となるので、定着している愛称をつい使っちゃう
- 芸名が難しいので、簡単な愛称の方が呼びやすい
- 別世界にいるかのようなスターに愛称があると親しみを感じる
- 宝塚おとめに掲載するため
こんなところでしょうか。
愛称のつけ方のパターン
宝塚の愛称はつけ方にいくつかのパターンがあります。
- 本名由来
- 芸名由来
- あだ名由来
- 役名由来
どんなものがあるか、まずは現在(2023年5月)のトップスターさんの愛称で見てみましょう
【花組】
- 柚香光:れい(本名由来)
- 星風まどか:まどか(芸名由来)・かなめ(本名由来)
【月組】
- 月城かなと:れいこ(本名由来)
- 海乃美月:うみ(芸名由来)・くらげ(芸名由来※1)
【雪組】
- 彩風咲奈:さき(本名由来)
- 夢白あや:あやあ(芸名由来)・ゆめぴろ(芸名由来)
【星組】
- 礼真琴:まこっつあん・こと・こっちゃん(全芸名由来※2)
- 舞空瞳:ひっとん(芸名由来※3)・なこ(本名由来※4)
【宙組】
- 芹香斗亜:キキ(あだ名由来※5)
- 春乃さくら:さー・さく(全芸名由来)
柚香光さんは「ゆずカレー」とか「カレー」など数種あるようですが、公式発表では「れい」 のみです。彼女のことを「カレー」と呼ぶのは、ごく親しい方のみです。
※海乃美月さんが「くらげ」と呼ばれているのは、芸名の海乃美月から海月(くらげ)と見間違えたことからつけられたあだ名だと言われています。
※2礼真琴さんは本名から芸名を付けられており、愛称は芸名由来となっています。しかし、「まこっつあん」は柚希礼音さんが命名したとの話もあります。
※3舞空瞳さんは、もともと「ひとみ」とも呼ばれていたようですが、星組はとにかく瞳さんが多い組でしたので、「ひっとん」となったと言われています
※4舞空瞳さんの本名は「名子」さんです。とても珍しい苗字で日本全国で160人しかいないそうです。
※5芹香斗亜の「キキ」という愛称は、サンリオキャラクターの「リトルツインスターズ」のキキララににていることから、安蘭けいさんが命名しました。
変わった愛称(現在/過去)
トップスターさんの愛称はそれほど奇抜なものはありませんでしたが、タカラジェンヌは他にもたくさんいます。その数だけ愛称があるので、中には思わず2度見してしまうようなものもあるんですよ。そこで、ここでは、過去ジェンヌさんのおもしろ愛称を紹介します。
花組
瀬戸かずや:あきら(漫画「天使なんかじゃない」の須藤晃に似てたから)
明日海りお:みりお(先輩が「あしたみりお」と読み間違えたことから)
天真みちる:たそ(愛称だった「梅タン」を雑誌に「梅タソ」と誤植されたから)
月組
剣幸さん:ウタコ(昭和の芸人・京唄子に大口が似てたから)
龍真咲:まさお(芸名の「まさ」に男の「お」を付けた)
愛希れいか:ちゃぴ(本名の「あさひ」から「あちゃぴ」そして「ちゃぴ」になった)
雪組
平みち:モサク(大地真央命名・動作が遅く、モサっとしていたから)
杜けあき:カリンチョ(本名由来・愛称にチョをつけるのは昭和のトレンドだったから)
望海風斗:だいもん(本名が大門(おおかど)だから)
朝月希和:ひらめ(顔がひらめに似てるから)
星組
日向薫:ネッシー(身体が大きかったから)
紫苑ゆう:シメ(幼少期から姫と呼ばれており、それが訛った)
月組(現役)
風間柚乃:おだちん(本名が 「小達」だから)
宙組(現役)
風色日向:風の色は何色(芹香斗亜さん命名・「ロバート・デ・ニーロ」を文字って「カゼノイロ・ハ・ナイーロ」となった。または、ポカホンタスの「風の色は何色」やん!と芹香さんが言ったためとも言われている)
ちなみに今は省略されて「ナニーロ」と呼ばれているそうですよ。
ほぼ悪口?とも思えるものもありますが、あくまでも愛称です。愛を持って呼ばれている呼び名ですし、ご本人もプロフィールにわざわざ書くということは愛着があるのでしょう。ファンの間でも定着している愛称ですので、ご本人はもちろん周囲の方にとっても愛しい呼び名と言えます。
随時、面白い愛称が見つかれば追加していきたいと思っています。
まとめ
タカラジェンヌに愛称があるのは
- 芸名が難しいから
- 親しみが持てるから
- ジェンヌ同士で多用しているから
などの理由があるとわかりました。今後も面白い愛称情報を追っかけたいと思います。