「極美慎さん、花組でちゃんと大事にしてもらえてる?」——その不安、当然です。
星組でずっと見てきた極美慎さんが、花組に組替えになると聞いたとき、複雑な気持ちになったファンは多かったはずです。
新しい組での扱いはどうなるのか、二番手として認めてもらえるのかとの不安を抱えたまま迎えた初日公演で、まさかのことが起きました。
星組を離れた極美慎の立ち位置は?
星組時代、天飛華音と並んで組を支えてきた極美慎さん。
その存在感は誰もが認めていたものの、新天地・花組ではすでに聖乃あすかさんがいるという事実がありました。
二人が並んだとき、どちらが上に扱われるのか——それは初日のパレードを見るまで、誰にも分かりませんでした。
驚愕の「二番手羽根」で星組ファンはショック
花組に組替えして最初の外箱公演『DEAN』では、組替えしたばかりの今このときの極美慎さん×花組だからこその空気感を感じる作品として高評価を受けました。
しかし外箱はあくまで小規模な公演です。大劇場本公演のパレードで何色の羽根を背負うかどうかが、劇団の意思を示す最もわかりやすい答えです。
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そしてパレードで、前代未聞のことが起きた
迎えた初日、パレードの階段降りで、極美慎さんと聖乃あすかさんが同じ大きさの二番手羽根を並んで背負って登場しました。
極美慎さん(白い2番手羽根、裏地紫)、聖乃あすかさん(白い2番手羽根、裏地濃ピンク)という並びで、トップコンビと合わせて大きな羽根が4枚並ぶ圧巻の光景。
これが、何を意味するのかを解説していきます。
そもそも「二番手羽根」って何?
宝塚ファン出なければ、羽根の大きさがどうした?と思う方もいるかもしれません。
しかし宝塚歌劇団では、パレードで背負う羽根のサイズは、ただの衣装ではなく、劇団が公式に示す序列の宣言です。そ
の仕組みを知ると、今回起きたことの重大さがわかります。
羽根の大きさは「序列」を語る——宝塚の不文律
宝塚のフィナーレ・パレードで、大階段を降りてくる順番と羽根のサイズは厳密に管理されています。
最も大きな羽根を背負うのがトップスター、次に大きいのが二番手、そして三番手以下と続きます。
この序列は公式に発表されるものではありませんが、ファンの間では「羽根を見れば立場がわかる」という共通の認識です。
つまり、同じサイズの二番手羽根を二人が並んで背負うということは、劇団が「この二人は同格の二番手である」と視覚的に宣言したことを意味します。
過去にダブル二番手羽根はあった?
2000年以降で、2番手羽根が2つ舞台に並んだケースは過去に4例ありました。
- 貴城けいと水夏希
- 大空ゆうひと龍真咲・明日海りお
- 暁千星と瀬央ゆりあ
ただし過去の事例を見ると、W二番手羽根が実現した背景には必ずどちらかが次のトップへ向かう準備段階という文脈がありました。
たとえば月組では龍真咲と明日海りおがW二番手羽根を並べた後、龍がトップスターに、明日海が準トップスターに就任するという流れになっています。
また、星組では暁千星さんがトップ就任し、瀬央ゆりあさんが専科に移動したのは記憶に新しいところです。
歴史を振り返れば、W二番手羽根は次期トップへの布石として機能してきた前例があります。
W二番手羽根が意味する劇団からのメッセージとは
かつて花組では、生え抜きの水美舞斗と組替えしてきたばかりの永久輝せあが、どちらも三番手扱いで並んだことがありました。あれから4年、永久輝はトップになり水美は宙組へ異動しています。
今度は生え抜きの聖乃あすかさんと組替えしてきたばかりの極美慎さんが、どちらも二番手扱いとなり、過去の花組の歴史が、このW二番手体制の意味を静かに物語っています。
劇団はどちらが上かを明確にせず、まずは二人ともに等しく二番手であると示すことを選んだ形になりました。
『蒼月抄』で極美慎さんの役の重さを検証
羽根の話だけでなく、実際の役の重さも気になるところです。
パレードで二番手羽根を背負えても、物語の中で本当に「二番手クラスの扱い」をされているのか——ここが星組ファンとして最も気になるポイントではないでしょうか。
極美慎さんが演じた「平教経」とは?
平教経は、主人公・平知盛の従兄弟にあたる武将です。
「刀こそが忠義」と信じ、戦場で戦い抜くことを信条とする人物として描かれています。
一言で言えば、「平家一番の強弓」と呼ばれた猛将で、義経相手に何度も衝突し最後まで戦い抜く教経は、平家にとっての揺るがない誇りの象徴です。
「教経はかりんちゃんにぴったりな役」との声も多く、荒々しくダイナミックな演技が極美慎さんの持ち味と見事に合致していました。
聖乃あすかさん演じる「重衡」との関係性
前半が聖乃あすかさん主体のエピソード(町を焼き払った重衡の苦悩)、後半が極美慎さん主体のエピソード(教経の勇猛果敢な戦い)と完全に区分けされていて、この二人の絡みがほとんどない構成になっています。
聖乃が「静」なら極美は「動」——まったく異なる個性を持つ二人が、それぞれ別々の見せ場を担う形です。
聖乃あすかさんは心優しき弟、極美慎さんは血気盛んな従兄弟という配役で、それぞれ役柄はピッタリという評価が多かったように感じます。
「泣いた」と声が多かった、一ノ谷のあのシーン
本作で最も多くの涙を引き出したシーンが、一ノ谷の戦いの場面です。
重衡(聖乃あすかさん)の思いを伝えるために命からがら平家の陣に戻ってきた教経(極美慎さん)の場面はとてもドラマがあって、涙を流したという声が多く聞かれました。
ずっと戦いたくてうずうずしていた教経が、窮地に陥りながらも重衡が立派に戦っているのを目にして、自身も「平家一番の強弓」の名に恥じない戦いをしようと腹を決め、傷だらけになりながら戻ってきて重衡の思いを伝えるシーン。
翌日の壇ノ浦では、甲冑の外まで血が滲んでいる姿が描かれ、豪放磊落な人物の壮絶な最期が胸を打ちました。
『蒼月抄』作品全体の評判
作品全体としての評価を、観劇したファンの声より良かった点・惜しかった点の両面からまとめまました。
好評だった点——永久輝せあの貫禄と、太田健の音楽
太田健先生作曲のナンバーはどれも情緒たっぷりで、和物の良さを引き立てていました。
永久輝せあと星空美咲のデュエットは絶品との声も多く、主人公とヒロインが心を通わせるシーンは最高にロマンティックと評されています。
また有名な合戦が宝塚の舞台上で繰り広げられるのは新鮮で、とりわけ一ノ谷の戦いの「ひよどり越え」を大階段を活用して見せるシーンは圧巻。さらに客席は極美慎さんの組替え昇進を温かく迎えている印象で、聖乃あすかさんにも温かい拍手が送られていました。
新体制への不安とは裏腹に、場内の雰囲気はあたたかかったと多くの観客が証言しています。
惜しかった点——W二番手体制が生んだ脚本構造の課題
劇団のW二番手体制を導入してしまったがために「あと一捻りあればもっとおもしろくなるのに!」と感じた観客も多かったようです。
最も多い指摘は、兄弟の絆を感じさせる場面の少なさと、戦のシーンの多さ。せっかく個性豊かな役者が揃っているのに、最初に「絆」が描かれていないため、人物の内面や交流が描ききれていないという声がありました。
また「見るべきほどのことは見つ」という知盛の名台詞まで、舞台上で平家の栄耀栄華や兄弟愛を十分に体感できていないため、その対比としての没落の悲劇性が薄まってしまったのが惜しまれるという評も複数あったのが印象的です。
ショー『EL DESEO』との組み合わせで生まれたカタルシス
お芝居だけでなく、ショー『EL DESEO』の評判も見逃せません。
黒燕尾の男役群舞は圧巻で、前半はトップスターを中心に、後半はW二番手の聖乃あすかさんと極美慎さんを中心に踊る構成。タイプが異なる同期の二人が並ぶ、今しか見られない光景として話題になりました。
平家の滅亡という重厚な悲劇の後に、生命力あふれるラテンショーを観ることで生まれる解放感——これが一本の公演としての体験を豊かにしています。
聖乃あすかさんvs極美慎さん——花組の「次」はどうなる?
W二番手体制が確認できたところで、ファンとして気になるのは「この先どうなるか」ではないでしょうか。
両者のファン、そして花組ファン全員が気になるこの問いに、現時点でわかることを整理します。
劇団が「どちらとも言わなかった」ことの意味
劇団は今のところ、聖乃あすかさんと極美慎さんのどちらが二番手かを明言していません。
羽根の色でわずかな差をつけているとの見方もありますが、同期で仲良しの聖乃あすかさんと極美慎さんがW二番手として花組で競演するのは今しか見られない光景で、いずれどちらかが動くと思うからこそ、今の並びを堪能しようという声も多いようです。
どちらが先に動くかよりも今この瞬間を楽しむのが、宝塚ファンが辿り着く心境かもしれません。
今作で見えた、二人それぞれの強みと個性の違い
作品を通じて、二人の個性の違いがより鮮明になりました。
聖乃あすかさんは情感豊かな演技と歌声が持ち味で、内面の繊細さを表現する「静」の二番手。一方の極美慎さんは、ダイナミックな「動」の演技で場を圧倒し、いまはとにかく極美の勢いがスゴいという声が多数を占めました。
花組の極美慎さんという新たな楽しみが加わったとの声もあり、次の『エリザベート』への期待は楽しみ百万倍と語るファンもいます。
星組ファン目線で見る、極美慎さんの「現在地」
待遇は明らかに「ほのか(聖乃)<かりん(極美)」という見方もあります。
また歌舞伎の名作「義経千本桜」では、知盛(永久輝)が二段目で没するのに対し、教経(極美)は最後の最後で討たれてクライマックスとなることから、永久輝せあさんが退団した後に極美慎さんが残るという流れが暗示されているのではないかという考察も広がっています。
星組時代から見てきたファンにとって、この現在地は心強いニュースではないでしょうか。
東京公演で極美慎さんを観るために——今すぐできること
大劇場公演を見逃したファンも、まだ間に合います。
東京公演の情報と、現地に行けない方への選択肢をまとめました。
東京宝塚劇場公演の日程とチケット情報
東京宝塚劇場公演は、2026年4月18日(土)〜5月31日(日)の日程で開催予定です。
宝塚大劇場公演での評判を受けて、東京公演への関心は高まっています。
チケットの申し込みは宝塚歌劇公式サイトから確認できます。星組ファンとして初めて花組を観るなら、この東京公演が絶好の機会です。
映像化(BD・DVD)はいつ?遠征できない人への選択肢
遠征が難しい方には、映像化という選択肢があります。
ブルーレイ・DVD・CDの予約受付はすでに開始されています。
大劇場・東京の両公演を映像で見比べることで、公演を重ねるごとに役がどう深まっていくかを楽しむこともできます。
初めて花組を観る星組ファンへ——予習しておくと楽しめるポイント
花組を初めて観る方に、いくつかのポイントをお伝えします。
まず、平家の人物関係をざっくり把握しておくと物語に入りやすいです。
知盛(永久輝せあさん)が主人公、重衡(聖乃あすかさん)が弟、教経(極美慎さん)が従兄弟——この三角形を頭に入れるだけで、見え方がぐっと変わります。
全く個性も持ち味の違いますが、同期で仲良しの聖乃あすかさんと極美慎さんが花組で競演するのを、客席は温かく迎えている雰囲気だったと多くの観客が証言しています。
星組ファンとして会場に足を運んでも、決してアウェイではありません。
ぜひ、自分の目で花組の極美慎さんを確かめに行ってみてください。

